アルカリ性飲料とう蝕の関係

2021.10.13

こんにちは、JR 稲毛駅前 千葉総合歯科稲毛 矯正歯科・予防ケアクリニック
歯科衛生士の市川です。
 
 
今回は飲料とう蝕のリスクについてお話ししたいと思います。
 
 
炭酸飲料など酸性度の高い飲料は頻回摂取をすると酸蝕症やう蝕のリスクが高くなると思いますが、pHが高いアルカリ性の飲料であれば問題ないでしょうか?
 
結論から言うと、たとえアルカリ性の飲み物を頻回に摂取したとしても、う蝕リスクの低減にはならないでしょう。
う蝕は、糖の種類や摂取の量、回数、要する時間などが大きくかかわるため、アルカリ性飲料であっても、う蝕リスクの低減にはなりません。
糖を摂取後、プラーク中のう蝕原因菌は酸を産生し、プラークのpH(酸性<中性7.0<アルカリ性)が5.5
を下回るりことで、エナメル質からカルシウムやリンがイオンとして溶出します。
これを「脱灰」といい、う蝕の始まり(初期う蝕の発症)と考えられています。
一方、唾液中の重炭酸塩などによる緩衝作用により
酸は中和され、カルシウムイオンやリンイオンが過飽和になることで初期う蝕部で再結晶化が起きます。これを「再石灰化」といいます。
つまり、健常な口腔内では、「脱灰」と「再石灰化」のバランスが保たれているのですが、そのバランスが崩れ、「脱灰」の時間が長引くとう蝕が進行します。
脱灰時間が長引く要因としては、糖の種類や摂取回数、摂取量、摂取に要する時間などが深くかかわっています。
ちなみに、酸蝕症は口腔内のう蝕原因菌による酸が原因ではなく、口腔外から入ってきた酸(飲食物や作業環境などの)によって、エナメル質表層が脱灰され、実質欠損を生じたものをいいます。ですので、この場合、酸性度の高い飲料等を頻回に摂取することは、脱灰時間を長引かせ、エナメル質の実質欠損を生じやすくなると考えられます。
また参考として、俗にいわれるアルカリ性食品と酸性食品は、食品を燃やした時に生じる灰(燃えかす)の水溶液がアルカリ性であればアルカリ性食品、酸性であれば酸性食品と定義されています。
食用酢やレモン汁等はアルカリ性食品に分類されますが、実際は酸性(pH2〜3)です。アルカリ性食品だからといってエナメル質が脱灰しないとは限らないので注意が必要です。
以上のことから、アルカリ性の飲食物を頻回に摂取したとしても、糖の摂取状況などにより、「脱灰」という環境に傷り、またその状況が長引けば、確実にう蝕は発症することとなります。
したがって、う蝕原因菌の数を減らすための歯口清掃や代用糖の使用、歯質を強化するフッ化物の応用を積極的に勧めるようにしましょう
何かわからないことがあったら歯科医師、歯科衛生士にご相談ください。
 
 
スタッフ一同皆様のご来院心よりお待ちしています。
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