健康なときにこそ歯医者へ行きましょう


虫歯や歯周病にかかってしまったら、それ以上悪化させてしまわないように早く治療することが大切です。しかし病気によってダメージを受け、治療によっても少なからずダメージを負います。虫歯の治療で削ってしまった歯は元には戻らないのです。そして再発させてしまうと、やがては歯を失うことにもつながります。

虫歯や歯周病などのお口のトラブルは予防可能です。「治療」よりも病気にかかる前の「予防」のほうが歯や歯茎への負担を軽減しお口の健康を守れます。「痛くなってから」ではなく「痛くならないように」通院を習慣にしましょう。

千葉市稲毛区小仲台「JR稲毛駅」東口より徒歩30秒の歯医者「千葉総合歯科稲毛 矯正歯科」が予防処置についてお伝えします。

80歳で20本の歯を残すために

歯は親知らずを除くと28本あり1本1本の形状が異なります。それぞれに独特の役割があり、全体でバランスをとりながら咀嚼(そしゃく)や発音などの機能を果たしています。そのため歯を1本失っただけでも全体の噛む力が低下してしまうのです。

「よく噛む」と血流がよくなり、脳の働きを活発にします。また唾液の分泌量が増え、お口の自浄作用を高めるだけでなく、消化吸収を助け、肥満予防にもつながるのです。

自分の歯の本数はほかの人にくらべて多いのか?少ないのか?

グラフをご覧ください。自分の年齢と歯の数により自分の歯の状態は同年代の人100名中何番目なのかがわかります。また今後の歯の本数予測もできます。

厚生労働省は、80歳になっても20本以上の歯を残す「8020(はちまるにいまる)」を推奨しています。これは歯が20本以上残っていれば、ほとんどの物を食べることができるからです。また65歳以上で入れ歯を使用せず自分の歯もほとんどない人は、歯が20本以上残っている人にくらべて認知症になるリスクが1.9倍も高いという報告があります。

歯周病は歯を失う原因の第1位ですので、治療や予防をしっかり行いお口の健康を守ることが大切なのです。定期検診やメインテナンスを活用してお口のトラブルの早期発見・早期治療、そして予防につなげましょう。

千葉総合歯科稲毛 矯正歯科で行う処置

  • プラーク(歯垢)の染め出し

    汚れを効果的に落とすためには毎日の正しいブラッシングが欠かせません。プラークを染め出すとみがき残しを起こしやすい部分を確認できるので、効果的なブラッシングを身につけやすくなります。

    当院では患者さんのお口の状態に合わせたブラッシング指導を行っています。

  • フッ素塗布

    歯の再石灰化を促し歯質を強化する効果が期待できるフッ素を歯の表面に塗布します。

    フッ素には虫歯菌のはたらきを抑える作用もあるので定期的なフッ素塗布が虫歯予防に有効です。

  • PMTC

    プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングのことで歯科医師や口腔衛生のプロフェッショナルの歯科衛生士が専用機器を使って歯の汚れを徹底的に落とします。

    毎日のケアでは落としきれない歯と歯茎の溝や歯と歯の間のプラークや歯石を取り除きます。

    虫歯や歯周病予防に有効です。

  • 噛み合わせチェック

    噛み合わせが乱れていると食べかすがたまりやすくなり虫歯や歯周病の原因になります。

    また強く当たる部分があり過度の負荷がかかると歯周病を誘発しますので、定期的な噛み合わせチェックはお口の健康につながります。

  • 生活習慣の指導

    虫歯も歯周病も感染症です。生活習慣の悪化により免疫力が低下すると発症や悪化のリスクが高まります。

    喫煙習慣や睡眠時間、食生活などをお伺いし、必要に応じてお口のトラブル予防につながるアドバイスをしています。

ご自宅での効果的なブラッシング方法

お口の汚れを落とすために欠かせないのは毎日のブラッシングですが、ブラッシングの仕方はみがく歯の部位によって異なります。

また歯ブラシだけでなく、糸状のデンタルフロスで歯と歯の間の汚れを取り除き、自分の歯に合わせた歯間ブラシを使用することもおすすめです。

  • スクラッピング法

    歯の表面に歯ブラシを直角に当てて、1~2mmくらい小刻みに動かします。鉛筆を持つように歯ブラシを持つと、力のかけすぎを防ぎます。

  • バス法

    歯の根元に歯ブラシを45度の角度で当てて、やさしく動かします。やわらかい歯ブラシを使い、歯周ポケットに入り込んでいる汚れを取り除く感覚でみがきましょう。

仕上げ磨き

お子様のブラッシングは歯磨きの習慣をつけるためにも自身で磨かせるようにするといいのですが、歯ブラシが当たらず汚れが残ってしまう部分があるので、すべての部位に歯ブラシをあてられるようになれる少なくても9歳ぐらいまでは保護者の方による仕上げ磨きが必要になります。

  • デンタルフロス、歯間ブラシ

    歯と歯の間は虫歯になりやすいところの一つであり、通常歯ブラシで磨くことが難しいのでデンタルフロスや歯間ブラシによる清掃が効果的です。できるだけ毎日行うことが望ましいです。

  • スーパーフロス

    ブリッジの下などは汚れがたまりやすく、歯茎の炎症にもなりやすい部分であるので、スーパーフロスを用いてブリッジの下の汚れを除去することでブリッジの支えになる歯の虫歯や歯周病の予防につながります。できるだけ毎日行うことが望ましいです。

  • タフトブラシ

    歯肉に埋まっている歯や歯周病が進んで根っこの分かれ目が出てしまっている奥歯は普通の歯ブラシだと磨くのは難しいので、タフトブラシを使うことで歯と歯茎の間のプラークを取り除きます。歯ブラシで磨きにくい部位の虫歯と歯周病の予防に効果的です。

予防歯科の重要性

フッ素について

フッ素とは

  • フッ素は、生体必須微量元素であり、人間の体内には、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄に次いでその含有量が多いです。成人の場合2.6gが体内に存在しています。
  • フッ素は、天然に広く分布しているので、日常の飲料水やお茶などから摂取され、さらに食品由来のフッ化物も多く、特に海産物中には高濃度のフッ化物が含まれています。ただし食品中のフッ化物の吸収率は低く、40~60%程度です。
  • 一方、う蝕予防を目的として、人為的にフッ化物を上水道水に添加する方法、あるいはフッ化物による洗口法、歯面塗布法及びフッ化物配合歯磨剤の使用などでフッ化物が体内に入り、そのわずかな量が体内で吸収、排泄されていきます。
  • 性状としては、フッ化物は速やかに骨に沈着しますが、要素を容易に蓄積する甲状腺はフッ化物をそれほど取り込みません。
  • フッ化物の体内への吸収はイ及び小腸などの消化器系で吸収されます。可溶性フッ化物の80%以上は、おそらく90分以内に吸収されます。体液中に入ったフッ化物は、骨格系への沈着と尿中への排泄という2つの大きな機構によって循環体液中から消失していきます。
  • う蝕予防を目的として世界的に普及したフッ化物応用は、小児のう蝕だけではなく、成人及び高齢者の歯根面う蝕の予防にまで発展してきています。さらにう蝕予防だけではなく、歯周疾患予防にも間接的にかかわってきていることが明らかにされつつあります。
  • 吸収されたフッ素の90%以上が主として尿中に排泄され、約10%以下が体内に蓄積されるものと考えられています。子供の場合には、成長段階によって差があり、、吸収されたフッ化物のほぼ60~70%以上が排泄され、30~40%以下が体内に蓄積されます。
  • 排泄されなかったフッ化物のほとんどは、こう組織(主として骨格系)に沈着します。特に子供の場合は顕著です。

フッ化物の毒性

  • 毒性については腎臓や、甲状腺に障害が発生したり、発育抑制がみられるのは、非常に高濃度を長期間与えた場合です。ですので、誤って大量のフッ化物を一時に摂取した場合を除いて(急性毒性)、問題になるのは硬組織に関する疾患、歯のフッ素症と骨のフッ素症(骨硬化症)です(慢性毒性)。

歯ぎしり・食いしばりについて

早期接触と咬合干渉

  • 咬頭嵌合位における閉口運動や偏心運動過程で特定の歯が早期に接触することを言います。咬頭干渉は、側方や前方運動などの偏心位において、正常な機能運動を障害する歯の接触状態のことです。
  • 判定方法としては早期接触は、それぞれの顎位で咬合紙をかませて、ほかの歯より強く印記(咬合小面の中心の色が抜ける)されること、早期接触によってフレミタスや動揺が見られる場合には、暫間固定をしたり、咬んで動く歯を指で押しながら咬合氏をかませてみるなどして強く印記されることで判定します。

ブラキシズム

  • ブラキシズムとは、昼間の無意識化や夜間の睡眠中に起こる咀嚼筋の異常な緊張の結果として起こる「歯ぎしり」や「くいしばり」のことです。ブラキシズムは、歯の破折の原因や顎関節症、さらには歯周組織を破壊して歯周病を重度に増悪させる要因となることから、近年、医学的に重要視されています。昼間の無意識や夜間の睡眠時に強いブラキシズムを繰り返して行う人のことをブラキシストあるいはブラキサーと呼んでいます。ブラキシズムは、顎の動かし方のパターンから、グラインディング、クレンチング、タッピングの3通りに分類されています。

グラインディング

  • グラインディングとは、いわゆる歯ぎしりのことで、口腔内に食物が存在しない状態で、上下顎の歯を強く接触させながらすり合わせる状態のことを指します。睡眠時のグラインディングは顎を左右に大きく偏心させて行うことも多く、著しい咬耗が生じたり、キリキリとおおきなおとを出したりすることがあります。

クレンチング

  • クレンチングとは、いわゆるくいしばりのことで口腔内に食物が存在しない状態で、上下顎の歯を接触させて強くかみしめる状態を言います。クレンチングでは、同じ顎位でかみしめるために音はほとんど生じなく、著しい咬耗が生じることもありません。

タッピング

  • タッピングとは、口腔内に食物が存在しない状態で、カチカチと何度も連続的に歯を噛み合わせる運動のことを指します。ブラキシズムとしてのタッピングは、これといった誘因なしに習慣性に現れるものを指します。

ブラキシズムの原因

  • ブラキシズムの原因は、局所的要因と中秋的要因の2つが考えられています。局所的要因とは、歯列内に咬合位の高い歯間補綴物が装着された場合や、歯の位置異常により咬頭干渉が起こっている場合です。中枢的要因とは、局所的な異常がないにも関わらず、咀嚼筋の緊張を起こす中枢神経のパターンが定着してしまっている場合です。従来はブラキシズム発生のメカニズムに関しては、局所的要因が重要視されていました。しかし、近年の研究では、局所的要因があってもブラキシズムを行わない人がいることがわかっています。ブラキシズムの発生に関しては、昼間の強い精神的ストレスや肉体疲労が夜間睡眠中のブラキシズムを増悪することが知られています。

歯周検査

ルートプレーニング

  • 歯石や細菌、そのほかの代謝産物が入り込んだ病的セメント質(あるいは象牙質)を スケーラーを用いて取り除き、滑沢化することです。
  • 粗造な歯根面が滑沢化され、プラーク、歯石に再沈着を阻止し、歯肉の付着を生じやすくし、患者様自身による清掃の効果を向上させることが出来ます。

ペリオスコープ

  • 歯肉縁下プラークを採取し、顕微鏡で確認し、細菌の種類、量、活動性を確認し、歯周病のリスクの判定をします。
  • 種類に関しては原虫やスピロヘータが存在していると今後歯周病が破壊的に進行してしまいます。そのほかの口腔常在菌であっても量が多く活動性が活発であると歯周病とう蝕にかかるリスクが高いため、量を減らし運動性を不活発にする必要があります。

メインテナンスについて

メインテナンス

  • 歯周治療において治療した歯周組織を長く維持していくために行われる口腔内の健康管理をメインテナンスといいます。メインテナンスは患者本人が行うセルフケア(ホームケア)と歯科医師、歯科衛生士によるプロフェッショナルケア(専門的口腔ケア)からなります。これに対して、歯周基本治療、歯周外科治療、口腔機能回復治療により病状安定となった歯周組織をプラークコントロール、スケーリング、ルートプレーニング、咬合調整などの治療によって維持することをサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)といいます。
  • 再評価時に、歯周病が治癒したとされるには、歯肉の炎症がなく、歯周ポケットは3mm以下、プロービング時の出血が認められず、歯の動揺が生理的範囲内であり、歯周組織が健康を回復していることが目安となります。
  • これに対して病状安定とは、歯周組織の多くは健康を回復したが、一部の病変の進行が休止しているとみなされる4mm以上の歯周ポケット、紺分岐奉行編、歯の動揺などが認められる状態を言います。

メインテナンスの目的

  • メインテナンスでは、歯周治療で獲得されたアタッチメントレベル(付着レベル)を維持すること、すなわちアタッチメントロスを予防することが主な目的となります。また、口腔内に装着されている修復物、補綴物の破損や、う蝕の発生あるいは歯が破折することでも口腔はその機能を失っていきます。メインテナンスでは患者の前身の健康も視野に入れながら、口腔疾患の予防プログラムを遂行していく必要があります。

メインテナンス間隔

  • メインテナンス移行時にはまず1か月後に再来院していただき、徐々にメインテナンス間隔を伸ばしていきます。患者様のセルフケアが良好な場合は、6か月~1年までメインテナンス間隔をあけることがあります。またSPTではリコール期間を3か月以内とするのが一般的です。

メインテナンスの内容

1.口腔清掃指導
  • プラークコントロールの基本であるセルフケアの中心がブラッシングであるので、メインテナンスにおいてもブラッシング指導は重要です。しかし、画一的なブラッシングの技術指導だけでは効果的とは言えません。磨けていなかった原因がブラッシング技術の問題なのか、コンプライアンスの低下なのか、あるいは指導方法に問題があったのかなど詳細に検討し、それぞれの患者に応じた指導を行う必要があります。
  • また、歯根露出のある症例では、歯根の摩耗に注意を払う必要があります。したがって、ブラッシング時の圧やストロークの大きさ、歯間ブラシの使用法や歯磨剤(歯磨き粉)の選択についても指導を行う場合があります。
2.プロフェッショナルケア
  • セルフケアによるプラークコントロールだけでは、口腔内の衛生状態を長期にわたって良好に保つことは困難です。したがって、メインテナンスでは歯科医師や歯科衛生士が口腔内のプラークや歯石を除去する必要があります。

プロフェッショナルケアの種類

1 スケーリングルートプレーニング

歯石沈着を認める部位にはスケーリングを行い、歯周病が再発した部位やアタッチメントロスが起きている部位にはルートプレーニングを行います。

2 歯面研磨

歯面に付着している着色(ステイン)やプラークは研磨剤を用いてラバーカップなどで歯面研磨しながら除去します。また、重炭酸塩と水とを圧搾した空気とともに歯面に吹き付け、ステインやプラークを除去する機械(エアポリッシング)も効果的です。

3 プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング(PMTC)

歯科医師や歯科衛生士による機械的清掃器具を用いた歯面の清掃のことを言い、フッ化物ペースト、ブラシコーン、ラバーカップ、ラバーチップなどを使用して行います。

インプラントに対するホームケア

1 歯ブラシ

上部構造あるいはアバットメントとインプラント周囲軟組織の境界を清掃することが重要ですが、インプラント周囲軟組織は瘢痕用の組織を呈するため、擦過創が治癒しにくいとされています。適切な毛先の当て方やブラッシング圧については十分な清掃指導が必要です。インプラント周囲に稼働粘膜が近接する場合や、最後方臼歯遠心部など、通常の歯ブラシによる清掃が困難な場合はタフトブラシの使用が効果的です。

2 歯間ブラシ

複数の連続するインプラントは、通常連結されることが多く、歯間部の清掃には歯間ブラシが有用です固形空隙の大きさに合わせてサイズを選択するとともに、ワイヤーがチタン表面や軟組織を傷つけないようプラスチックコーティングされているものを使用するのが望ましいです。

3 デンタルフロス、スーパーフロス

歯間ブラシの挿入が困難な狭い隙間やブリッジの下や天然歯との隣接面部の清掃に有効です。

歯の構造

歯はエナメル質、象牙質、歯髄およびセメント質によって構成されています。このうち硬組織(エナメル質、象牙質およびセメント質)は基本的に無機質有機質および水からなります。

エナメル質の構造・組成

  • エナメル質は高度に石灰化しており、人体で最も固い組織ですが、崩壊すると自然治癒が不可能な組織です。化学組成としては92~96%が無機質であり、そのほとんどがハイドロキシアパタイトによって占められています。
  • エナメル質は歯冠部分の最外層に位置し、その厚みは部位によって異なります。通常、エナメル質は切縁部あるいは咬合面部で厚く(約2mm)、歯頚部に向かうにしたがって薄くなっていきます。構造的には、多数のエナメル小柱が基本的な構成単であり、エナメル小柱の径はエナメル象牙境近辺では3μm、表層では6μmほどです。小柱と小柱の間には小柱鞘という役0.1μmの幅の有機質に富む部分があります。これらのエナメル小柱は互いに密接しながらエナメル象牙境からエナメル質の表面に向かって放射状に走行しています。エナメル質はエナメル小柱に沿って破折しやすいので、このエナメル小柱の走行を考慮に入れて窩洞形成することは極めて重要です。象牙質に支えられていないエナメル質(小柱の走行が象牙質に連なっていないエナメル質:遊離エナメル質)は極めて脆く、小さな力で簡単に壊れてしまいます。このため、修復時、特に非接着性修復を行う際にはこの遊離エナメル質を可及的に除去する必要があります。

象牙質の構造・組成

  • 象牙質の化学組成は65~70%が無機質であり、無機質のほとんどがハイドロキシアパタイトですが、その結晶の大きさはエナメル質のものと比べてはるかに小さいです。有機質は18%でありそのほとんどがコラーゲンによって占められており、さらに象牙質には12%の水が含まれています。このように、象牙質の化学組成はエナメル質と大きく異なり、骨やセメント質と類似しています。
  • 象牙質は歯の中で歯冠から歯根にかけて最も大きな部分を占めており、一般に歯冠部分をエナメル質、歯根部分をセメント質がかぶさっています。また、歯の内部では象牙質によって歯髄腔が形成されています。
  • 象牙細管はエナメル象牙境から歯髄腔まで象牙質の厚みすべてにわたって連なっています。歯髄の最表層部では象牙芽細胞の本体が整然と並び、その本体から象牙芽細胞突起が象牙細管内に伸びています。この象牙細管を取り囲むように、きわめて微細なコラーゲン基質を含む、石灰化度のやや高い厚さ1μm以下の管周象牙質がありその外側に石灰化の程度が低くコラーゲン線維を含む管間象牙質があります。

セメント質

  • セメント質は歯根表面を覆う薄い組織で、その組成は象牙質と類似しています。セメント質は歯根膜、歯槽骨、歯肉とともに歯周組織に分類されています。セメント質はコラーゲン線維からなるシャーピー線維の一端を自身に封じ込め、他端を歯槽骨内に封じ込めることによって歯を歯槽骨内で固定する役割を担っています。
  • セメント質は組織学的に2種類に分けられます。基質中に細胞成分を含まないものを無細胞セメント質と呼び、歯頚側の約2/3および複根歯の分岐部に存在します。無細胞セメント質の形成は歯の萌出前後に始まり一定期間を経て終わります。また、基質中に細胞成分を含むものを細胞性セメント質と呼び、根尖側約1/3に存在します。細胞性セメント質はその形成と停止を長い期間繰り返しており、加齢とともにその厚みを増す傾向にあります。

虫歯などの病気

う蝕(虫歯)

  • う蝕の病因、病態に関しては、化学細菌説(酸産生説)が現在なお支持されています。これは微生物による発酵過程で糖(炭水化物)から酸が作り出され、この酸によって歯質の脱灰が生じるという考えです。
  • う蝕原性細菌としてStreptococcus mutansは良く知られており、最もよく研究されています。酸(主に乳酸)産生能が強く、pH5以下の酸性環境下、また空気に触れない嫌気的環境においても生存が可能です。さらに細胞内に栄養分を蓄えることが出来るので、周囲に栄養分(エサ)のない状況でも酸を産生します。Streptococcus mutansは、ショ糖(シュークロース)を基質として不溶性のグルカンを合成することによって、平滑な歯面にも強固に結合します。この粘着性からほかの付着能の弱い細菌(乳酸菌など)の足場となります。
  • 歯質を構成するリン酸カルシウム塩として、ハイドロキシアパタイト、ウイットロカイト、オクタカルシウムフォスフォフェイトが一般的であり、それぞれpH5.5、6.4、6.9で溶解現象が起こります。唾液中のカルシウムと無機リンのイオン積濃度は、歯質に対して過飽和ですが、pHの低下とともに不飽和となることにより溶解現象がもたらされます。

プラークとは

  • 歯質原因となる最近は、一般にプラーク(歯の表面に微生物が高密度に集落を形成した柔らかい付着物)の中に存在しています。プラークは主に微生物からなりますが、微生物間基質が存在しています。
  • プラークは歯の表面にみられる微生物の多様な共同体で、宿主や細菌由来の基質・重合体に埋もれたバイオフィルム」として定義されます。このバイオフィルム形成によって、抗菌薬、抗生物質から細菌は守られ、産生された酸が局所に停滞することによって、歯面の脱灰が生じます。

根面う蝕

  • 根面う蝕は口腔環境に根面のセメント質が露出し、その周囲にプラークが蓄積して発生します。根面う蝕はエナメル質う蝕と同様に、脱灰と再石灰化の閉口関係が逸脱した過程で発現します。通常、セメント―エナメル境である歯頚線の歯根面から発症し、酸に対する抵抗性が低い歯根面に選択的に脱灰が生じて側方に広がり、歯根全周を取り囲むように環状に進行します。

くさび状欠損

  • 歯頚部に生じるくさび形の実質欠損をくさび状欠損と呼んでいます。これはう蝕に次いで多い硬組織疾患の病変です。
  • くさび状欠損には主に2つの病因が考えられています。1つは歯ブラシと歯磨剤に不正使用などによる機械的刺激が長時間にわたって作用することで、歯面が徐々に摩耗し、歯に表在性の実質欠損が生じる慢性損傷です。もう1つは過度な咬合力が原因となって、歯頚部表層に応力が集中し、エナメル質および象牙質が破壊されて生じた欠損です。後者はアブフラクションと呼んでいます。
  • 以上のようにくさび状欠損の病因は主に2つに分かれていますが、すべてを1つの病因で説明することは困難です。咬合の過剰負担によってエナメル質に微笑亀裂が生じているところに、持続的な歯ブラシの不正使用が重なって生じるなど摩耗と咬合の相互作用により生じると考えるのが妥当であり、どちらが主因であるかは症例によって異なると考えられています。

咬耗症

  • 歯と歯あるいは食物と歯が繰り返し接触することにより、接触部のエナメル質および象牙質に実質欠損が生じます。この慢性損傷を咬耗といいます歯の咬耗は長時間かかっておこるもので、咬合力、歯ぎしりや歯のくいしばりの習慣、食物や嗜好品の硬さ、歯の石灰化の程度などの因子、および対合歯の修復物の性状(硬さ)によって影響されます。特に歯ぎしりや歯のくいしばりの習慣を有する場合は著しい咬耗がみられ、一般に若年者より高齢者のほうが、また女性より男性のほうが咬耗の程度が高度です。

摩耗症

  • 研磨剤配合の歯磨剤を用いた不正なブラッシングや歯間ブラシの不正使用、パイプの常用などによる習慣性摩耗と、カラス職人、大工、靴工、美容師や管楽器奏者など業務内容に必須の道具を、特定の歯、歯列により保持することによって生じる職業性摩耗とがあります。
  • また、入れ歯のクラスプや床縁によって生じることもあります。

酸蝕症

  • 酸蝕症は咬耗症、摩耗症、歯の破折などとともに非感染性の疾患として増大傾向にあり、注視すべき疾患です。
  • 酸蝕症とは、酸の作用により歯質が表在性に脱灰されることで発症します。過去には職業的なものが原因となり、塩酸、硝酸などの強い無機酸を取り扱う従業者の歯に侵蝕が見られました。これは防御を徹底することによりほとんど見られなくなりました。最近では、炭酸飲料や健康飲料などの酸性飲料あるいは酸性食品の多量接種によるものと思われる歯の侵蝕が増加してきています。過食嘔吐や妊娠やストレスによる嘔吐の繰り返しや胃食道逆流症などにより起こることもあります。

歯の変色・着色

健全歯には個体差はありますが通常黄白色です。乳歯は永久歯より明度が高いです。歯の表面や歯質中に種々の色素が沈着することで、黄色、褐色、灰色、赤色などに着色されることがあります。また、歯の形成時に所外を受け、萌出時に変色している場合もあります。

歯面の着色

  • 歯面の着色は、食品、嗜好品、金属あるいは口腔内細菌由来の色素などによる外因性の着色です。嗜好品由来の原因としては、タバコが代表的で暗褐色から黒色の着色が見られます。また、コーヒー、紅茶などは着色を起こしやすいです。食品着色剤によっても歯面に軽度の着色を生じることがあります。口腔細菌によって歯面が緑色に着色されることがあり、小児の前歯部唇面歯頚部にみられます。
  • 金属由来の着色材としては、歴史的なお歯黒(タンニン三第二鉄)が有名ですが、銅や青銅の取扱者に緑色や青緑色の着色が見られたという記録があります。
  • 歯科治療においては、アマルガムやフッ化事案民銀による黒色の着色やポピドンヨード剤の洗口による黒褐色の着色が起こります。

歯質の着色

  • 歯質の着色は、エナメル質や象牙質の形成中あるいは形成後に、色素が沈着して起こります。外因性の代表的なものはテトラサイクリン系抗菌薬で、歯の形成中に長期に服用すると歯が黄色を基本とした色に着色されます。また、フッ化物の過剰摂取により、エナメル質表面に白斑や白濁がみられる状態は、歯のフッ素症(斑状歯)と呼ばれます。
  • 鉛や水銀などの重金属類の中毒でも着色されることがあります。これは軟化象牙質があると顕著になります。
  • 内因性のものとしてはポルフィリン、ビリルビンなどがあります。先天性ポルフィリン尿症で代謝異常により排泄されたポルフィリンが歯質に沈着し、ピンクないし赤褐色になることがあります。胎児性赤芽球症では、溶結により生じたビリルビンが歯質に沈着し乳歯が緑色ないしは淡黄色に着色されます。

その他

  • 外傷や感染により歯髄に出血や壊死が起こると、血色素や壊死組織の分解産物が象牙質にも沈着し、灰黒色ないし青黒色を呈するようになります。これは、抜髄処置や感染根管治療後にも生じることがあります。
  • 歯の変色は歯面及び歯質への色素の沈着により起こりますが、象牙質の石灰化、多量の第二象牙質の形成や象牙質粒形成、内部吸収あるいはエナメル質が摩耗して薄くなった場合などでも色が変化します。

象牙質知覚過敏症

  • 窩洞形成、咬耗、摩耗、破折、歯周疾患による歯根露出などで生活歯のエナメル質やセメント質が失われて象牙質が露出し、象牙細管が口腔内に開放されると、機械的刺激、化学的刺激、温度刺激、乾燥などで一過性の鋭い痛みを生じます。
千葉総合歯科稲毛 矯正歯科

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