飲料水と酸蝕症・う蝕の関係 2022.05.11 みなさん、こんにちは。JR稲毛駅前 千葉総合歯科稲毛 矯正歯科・予防ケアクリニック 助手の横山です。木々の緑が目にまぶしい今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。さて今回は飲料水と酸蝕症•う蝕の関係についてお話したいと思います。ゴールデンウィークも終わり、だんだんと暑さが増してくる今日この頃ですね。そんな日は、炭酸飲料•お酒など、より美味しく感じると思います。また、夏場の熱中症対策やスポーツ時の水分補給に飲料は欠かせなく、その際にスポーツドリンクを飲む機会も多くなると思います。多くの飲料メーカーのコマーシャルの影響で、製品の継続的な摂取が健康増進につながることを匂わせながらアピールしています。しかし、歯科的なリスクが忘れられてしまうことが多いのも確かです。実際、飲料水と酸蝕症•う蝕にはどのような関係があるでしょうか?と、その前に!“酸蝕症とう蝕”の違いについてお話したいと思います。う蝕の原因となる酸は、プラーク細菌が糖質から作り出します。一方、酸蝕症では細菌の介在がないので、ダイレクトに飲料物に含まれる酸が歯面をアタックします。プラークコントロールが良くても、酸性飲料を長い時間チビチビ飲んでいると、酸蝕症のリスクは高くなります。う蝕も酸蝕症も、酸によって歯質が脱灰される点では共通しています。しかし脱灰されるときの酸の由来や脱灰の進行プロセスは、大きく異なっています。う蝕はプラークが蓄積しやすい歯の部分に発生します。う蝕の三大好発部位といわれるのが、歯の咬む面の溝•歯と歯の間•歯の根元の部分です。しかし、酸蝕症では、摂取した酸性飲料が口腔内に広がり、複数の歯面全体に作用して脱灰が起きます。現代の人々は、「健康のために」と柑橘系フルーツや酢などを料理にも積極的に取り入れる傾向にあります。たしかに柑橘類にはビタミンCやリンが豊富に含まれていますし、酢には食後血糖値の上昇抑制や体脂肪•内臓脂肪を減少させるなど、健康によい面がありますが、度を越した摂取は酸蝕症につながります。また、スポーツドリンクには酸や糖を添加したものが多いです。運動時の水分補給として、こまめにちょくちょく飲めば酸蝕やう蝕のリスクを高めます。私たちのお口の中は唾液で常に保たれており、酸を洗い流したり中和する重要な役割を持つのが唾液です。食事をするたびに、お口の中は酸性の状態となり、その後唾液の作用により、食後約40分間で中性に近い弱酸性の状態に戻ります。食事の回数や間食が多い人は、お口の中の酸性状態が長くなり、う蝕のリスクも上がります。また就寝中は唾液分泌が低下するので、就寝前に酸を摂取することは控えましょう。みなさん、これを機にご自身の食習慣を見直してみてはいかがでしょうか!またお口の中でお困りなことがあれば、ぜひご相談してください。スタッフ一同お待ちしております。 < 食いしばり歯ぎしりワンタフトブラシって何?どう使うの? > ブログ記事一覧をみる