歯周病の原因菌 2022.06.15 こんにちはJR稲毛駅前 千葉総合歯科稲毛 矯正歯科・予防ケアクリニック 歯科衛生士の廣瀬です。今回は「歯周病の原因菌」についてお話したいと思います。先日「 歯茎の炎症がなかなか治まらずに出血が止まらない」という主訴で来院した高校2年生の若い少年がいました。所見によると、歯ブラシが苦手なようで、歯にプラークが残っている、歯周ポケットが4ミリ以上のところが多く、歯周ポケット内にも歯石が大量についている、という印象でした。まずは、歯周ポケットを正常値に戻すため、溜まっているプラーク、歯石を取り除く処置から始めました。その後、ホームケアの重要性を説明し、ブラッシングの指導も行い、患者さん自身のモチベーションもどんどん上がっていき、改善が期待できそうだなと思いました。しかし、汚れは減ってきていてホームケアもしっかりしているのに、なかなか歯茎の赤みが引かず出血も治まらない状態。何故だろうと思い、まだ若い少年でしたが、プラークを位相差顕微鏡に映して「口内細菌の観察」をしてみました。すると、「スピロヘータ」といわれる歯周病の原因菌がたくさん住みついていました。スピロヘータとは、歯周病の代表的な細菌で動画で見ると回転しながら活発に動いているのですぐにわかります。 本来は口腔内にいてはいけない悪玉菌で、この菌がいると歯周病が進行中、あるいは歯周病が進行しやすい状態にあると言えます。 また他の悪玉菌も増える傾向にあるので注意が必要です。このスピロヘータは大量に住みついていると、口腔内の清掃状態が良くなっても、菌自体はなかなか減ってこずに、炎症が治まらないという現象が起きます。一度住みついてしまったスピロヘータはご自身で退治することは難しいかと思います。当院では、このスピロヘータに対して、歯周内科治療を行っています。・内服薬「ジスロマック」1日に2錠を3日間服用します。強い抗菌力を発揮する抗生物質で、静菌作用として菌の増殖を抑えます。・歯磨き剤「ぺリオバスター」アロエ、ヨモギ、ヒノキ、人参、海藻といった漢方成分からなる体に安全な天然歯磨き剤です。発泡剤が入っていないので歯を磨いていても泡立ちがないのでさっぱり感は感じづらいですが、副作用などがない優れた歯磨き剤です。・内服薬、歯磨き剤「ハリゾンシロップ」1日3回歯と歯ぐきの境目を意識して5分間の歯磨き。もともとは消化管のカンジダ(真菌の一種)の増殖を抑える抗生物質ですが、口腔内のカビを殺菌する目的で歯磨き剤として使用するので安心して使用できます。また、飲み込んでしまっても体内にほとんど吸収されないのでその点も安心です。今回はまだお若い年齢の少年でしたので、副作用が出やすい内服薬のジスロマックは出さないほうがいいかなと判断し、歯磨き剤のぺリオバスターをまずは使用してもらいホームケアを頑張ってもらうこととなりました。また月1回、受診してもらい、口腔清掃と菌の状態を調べながら観察していくことになりました。少年の意識の変化には私達もびっくりしているところです。今後も少年に寄り添い一緒に改善を目指していきたいと思います。歯周病は年齢問わずに起こりうることで、原因をしっかりと突き止めないと改善されません。お口の中で少しでも気になることがありましたら、相談にいらしてください。一緒に原因や改善方法を探していきましょう!スタッフ一同皆様のご来院を心よりお待ちしております。 < 歯科検診の重要性についてマタニティ歯科について > ブログ記事一覧をみる