こんにちは。
JR 稲毛駅前 千葉総合歯科稲毛
歯科衛生士の川部です。
今年も残り1か月!クリスマスも近づいてきました!
朝晩はとくに冷えますので皆様温かくしてお過ごしくださいね。
さて、今回は『嘔吐反射』についてお話ししたいと思います!
歯科治療などで、お口の中に器具を入れたときに、すぐに「オエッ」となってしまうことを嘔吐反射と呼びます。
嘔吐反射とは、反射的に嘔吐(えづく)する体の作用で、本来は身体の中に入ろうとする異物を外に出すための無意識の防御反応ですが、この嘔吐反射が強く出てしまう方は歯科治療が上手く受診できず、歯科に通うことも億劫になってしまうケースが多いです。
長らく治療に行くことができず、虫歯や歯周病が大きく進行してしまってからご相談に来られる方も少なくありません。
まず、嘔吐反射の原因には
〇局所的要因:口呼吸、鼻や喉の病気、扁桃腺の病気、口腔粘膜の病気など
〇全身的要因:疲労、貧血、睡眠不足、空腹、食道の病気、精神的な病気など
〇心理的要因:歯科治療に対する強い不安・緊張・恐怖心、過去の歯科治療でのトラウマ
などが挙げられます。
嘔吐反射に対する対策としては、
〇患者様ご自身で行える対策
・歯科を受診する際は、嘔吐反射があることを事前に歯科医師やスタッフに伝えましょう。
・治療前日は暴飲暴食、刺激の強い飲食物は避けましょう。また、過度な満腹/空腹状態の時間も避けるとよいです。
・疲労が溜まっていたり、寝不足状態での治療は避け、体調を整えましょう。
・できるだけ全身の力を抜いてリラックスし、口ではなく鼻呼吸を心がけましょう。
・えづいた時は診療を少し中断してもらい、呼吸を整えましょう 。また、水を飲むと落ち着く場合もあります。
〇歯科医院が行う対策
・小さなサイズの器具を使ったり、型取り用のトレーを小さくしたり、材料をできるだけ少なめに調整する。
・唾液や水がお口の奥に溜まらないように、排唾管という管を口角にかけて常に唾液や水を吸引しながら治療をする。
・通常は身体を水平位くらいまで倒した状態で治療しますが、上体を起こし気味にして治療することで嘔吐反射が起こりにくくなります。
・自費診療にはなりますが、静脈内鎮静法で興奮する神経のコントロールを図り、うたた寝のような状態で治療を受けることも出来ます。鎮静中は、お口を開けてもらうなどの指示や問いかけには反応できるくらいの意識状態ですが、鎮静が覚めた後は治療中のことはほとんど覚えていません。そのため、恐怖心も少なく治療を受けることが出来ます。
それから、小さいお子様の親御様からも、嘔吐反射が強いと仕上げ磨きも十分にできないため、虫歯が心配...とご相談も受けます。
その場合には、歯ブラシはヘッドの小さなものを選び、歯磨き剤は使用しない/もしくは強い香りや濃い味のものは避けてごく少量使用しましょう。泡立ちの少ないジェルタイプもおすすめです。
向き合って座り、上下の前歯の表裏→下の奥歯の頬側→上の奥歯の頬側→下の奥歯の内側→上の奥歯の内側の順に磨きます。
1回にお口の中に歯ブラシを入れる時間を短くし、休み休みうがいをしながらでもOKです!
普段から、テレビを観ながら歯ブラシをお口に入れて感覚を慣らしたり、舌を歯ブラシで優しくなでるのを繰り返してみたり、ガラガラうがいをよくして舌やのどにある神経を刺激したり、嘔吐反射を起こりにくくするために訓練してみましょう。
嘔吐反射の強い患者様にも、出来る限り負担の少ない診療を心掛けてまいります。
お悩みの方も、スタッフにお気軽にご相談ください。
スタッフ一同皆様のご来院を心よりお待ちしております。