妊産婦と口腔内について

2021.06.30

こんにちは。

JR 稲毛駅前 千葉総合歯科稲毛 矯正歯科・予防ケアクリニックの地引です。


今日は妊産婦と口腔内の関係についてお話します。

妊娠中の口の中は虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

その原因の1つとしてつわり(悪阻)が挙げられます。

つわりは、妊娠5~6週頃から12~16週頃まで続く、悪心・嘔吐・食欲不振などの消化器症状のことです。

 

歯磨きをすると吐き気が誘発されて、口腔内の清掃が困難になります。

さらに、妊娠によって嗜好が変化したり、食事回数が増加することによって

唾液のpHが低下し、プラーク量が増加します。

その他にも妊娠すると、エストロゲン・プロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌が増加します。

これらのホルモンによって、特定の菌種(p.i菌:prevotella intermadia) の発育が促進されて

歯肉炎を引き起こす「妊娠性歯肉炎」や限局性の炎症性腫瘤である

「妊娠性エプーリス」を発症させることがあります。


口腔内には細菌が500~600種類が同定され、その中でも歯周病原細菌とされるものは10~15種類程度といわれています。

妊娠性歯肉炎は妊娠2ヶ月頃から歯肉辺縁や歯間乳頭が発赤や腫れ始め、妊娠8ヶ月頃まで続きます。

そしてエプーリスと歯茎に生じた限局性の腫瘤で炎症性または反応性の増殖物のことを指します。

様々な種類がありますが"妊娠性エプーリス"とは"血管腫性エプーリス"に

分類され、毛細血管の増生と拡張が著しいエプーリスです。

妊娠時に現れますが、分娩後には退縮します。

無痛性ですが容易に出血します。


妊娠性歯肉炎も妊娠性エプーリスも多くの場合出産後に前の状態に戻りますが、

妊娠前から口腔清掃状態が悪かった場合や妊娠中や出産後は、身体的な負担も多いので

歯科医院への受診が遅れてしまうと歯肉炎から歯周炎に進行してしまうこともあります。

またバイオフィルム感染症である歯周病は早産を引き起こし、低体重児出産の原因になると言われています。


妊婦の時はプロスタグランジンという子宮を収縮させる物質が分泌されます。

これはホルモンと似たような働きをする不飽和脂肪酸で体の組織や器官に含まれていて、

血管の拡張、血圧の上昇・降下、子宮などの筋収縮に関わります。

陣痛促進剤としても使われるほど強力な作用があり、

胎児が十分に育つとこの分泌が増えて、分娩を促すことになります。

では歯周病とどう関連するのかというと……


①歯周病の免疫反応により、炎症を抑えようとしえ作り出される"サイトカイン"が増えます。
②サイトカインが過剰になると…サイトカインは血液に入り込み、血流によって口外へいきます。
③サイトカインには子宮を収縮させ、頚部を拡張させます。そしてプロスタグランジンの分泌を促す作用があります!!
④プロスタグランジンの作用によって、子宮が収縮して栄養や酸素の供給が上手くいかず胎児の発育の邪魔をします。
⑤よって低体重児出産&早産の危険が高まります。
※早産だと後で重篤な障害が出現する可能性が高くなります。

 

悪阻がひどいと歯磨きも億劫になりますがかと言ってやらないと歯周病も進行してしまうので、

歯ブラシはまず嘔吐を考慮し頭の小さいものを選びましょう!

できる限り舌に当たらないよう気をつけながら磨いてください。

匂いに過敏な人は香料の強くない歯磨き粉を選びましょう。

歯磨きの姿勢は頭をやや下に向けて唾液が奥にたまらないように気をつけてください。


また気になる点等ありましたら気軽にスタッフに聞いてください。

スタッフ一同お待ちしております。

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