こんにちは。 JR稲毛駅前 JR 稲毛駅前 千葉総合歯科稲毛 矯正歯科・予防ケアクリニック 歯科医師の玉木です。
冬らしい寒さが続きますが、皆さま体調を崩されたりしていないでしょうか。
さて、本日は歯科で用いられるレーザー治療についてお話させていただきます。レーザー治療というと、医科では皮膚科における審美治療や、眼科における近視治療などをイメージされることが多いかと思いますが、歯科においてもレーザーを用いた治療は1990年代から実用化されており既に一般化しています。
レーザーとは人工的に作り出された光です。低い出力で強力なエネルギーを狭い範囲で集中させることにより、患部に種々の反応を引き起こします。
例えば、歯肉の切開や出血部分の止血を行ったり、患部の代謝を高め治癒の促進や疼痛の緩和といったことに用いることが出来ます。
歯科におけるレーザー治療の応用は以下のようなものがあります。
1 軟組織(歯肉)への応用
- 歯周ポケットの滅菌・掻爬
- 口内炎
- 歯肉切除・整形
- 小帯切除
- 歯肉のメラニン色素沈着・メタルタトゥー
2 硬組織(歯や骨)への応用
- う蝕の除去
- 知覚過敏症
- 歯周ポケット内の歯石の除去
- 骨組織の切除・整形(骨隆起除去や歯冠長延長術)
レーザーの種類により波長や出力が異なるためは軟組織(歯肉)と硬組織(歯や骨)への応用の範囲が異なります。歯科用レーザーの種類には以下のものがあります。
➀Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザー
歯などの硬組織と歯肉などの軟組織両方に用いることのできるレーザーです。
発熱が少なく、周囲組織への影響も少ないため、レーザー照射後の治癒が早いと言われております。
当院では、歯周病治療における歯周ポケット・慢性炎症の改善やインプラント埋入後の治癒促進を目的として用いることが多いです。
➁Nd:YAGレーザー(ネオジウムヤグレーザー)
歯肉などの切開や止血などに用いられることが多いです。深部への到達性が高いため、周囲組織への配慮が必要になります。
③CO2(炭酸ガス)レーザー
歯肉などの軟組織に用いられます。歯肉表面に対し蒸散・凝固作用があり、特に止血作用に優れます。
④半導体レーザー
半導体を利用して発光させるため、他のレーザー装置と比較しコンパクトです。
歯肉などの軟組織に用いられます。低出力のものから高出力のものがあり、止血・切開から疼痛緩和までの用途などに対応できます。
⑤He-Neレーザー
可視光領域の波長で低出力のレーザーです。疼痛緩和・治癒促進効果があります。止血や切開には用いられません。
当院では、Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザー、CO2(炭酸ガス)レーザー、He-Neレーザーの設備があり日々の診療において活躍しております。
全てではありませんが、レーザーを使った多くの治療は保険が適応になります。
レーザー処置については、適切な症例に対し正しい使い方をすれば副作用はほとんどないと考えられています。しかし、特性上使用には細心の注意を必要とするためしっかりとした環境と診断のもとに、使用させていただいております。
レーザーについて知りたいこと、分からないことなどがあれば気軽にお尋ねください。
スタッフ一同皆さまのご来院をお待ちしております。
参考文献『第二版 臨床歯周病学』 医歯薬出版株式会社(2013)