JR 稲毛駅前 千葉総合歯科稲毛 矯正歯科・予防ケアクリニックの道脇です。
口腔カンジダ症についてお話させていただきます。
口腔カンジダ症とは真菌の1つであるカンジダ菌によって引き起こされる感染症です。
カンジダ菌自体は口腔内をはじめ人の体に広く生息する常在菌であるが、口腔乾燥、義歯の清掃不良、ステロイド薬の外用や、全身的な免疫力の低下や加齢、栄養不足などによって常在菌間のバランスが保てずに口腔内のカンジダ菌が増殖すると口腔カンジダ症を発症します。
口腔カンジダ症は偽膜性、萎縮性(紅斑性)、肥厚性の3つに分類されます。
今回はその中でもよく見られる偽膜性と萎縮性についてお話させていただきます。
この2つのカンジダ症では出現する症状が違います。
偽膜性カンジダ症は、灰白色・乳白色の点状、線状の白苔が口腔粘膜に出現しガーゼなどで容易に拭いとれる病変です。原因としては免疫抑制状態や抗がん剤、抗菌薬などの薬剤投与といった明らかな要因を認める場合が多いです。
症状として、この白苔をガーゼなどで拭うと剥離後の粘膜面は発赤、びらんを呈します。それによって、摂食痛などの自覚症状が強く認めます。
診断は、口腔粘膜を拭って白苔が拭って除去できるかで判断ができます。その他にも、口腔内の状態や、自覚症状、年齢、義歯の有無、ステロイド薬を服用していないか、化学療法中の有無などの要因からも診断を行います。
萎縮性カンジダ症は、白苔を認めず、舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑を認め、偽膜性カンジダ症よりもヒリヒリとした痛みが強くなりことが特徴です。
原因としては、義歯や口腔乾燥が関与する場合がほとんどです。また、過度に口腔清掃を行ったことで口腔粘膜の表面が傷つきその部分から発症する場合もあります。
症状としては、熱い物や刺激物などによる摂食痛を強く認めます。その他に義歯の就寝時の装着や義歯の適合不良、清掃不良などによって義歯性口内炎を認めます。下顎よりも上顎に多くは発症し、部分的な義歯よりも総義歯のほうがカンジダ症を発症しやすいといわれています。
口腔乾燥を伴っている場合が多く、その状態だと、唾液による自浄作用の低下や唾液のpHが酸性に傾きカンジダ菌はこの酸性のpHを好むのでカンジダ菌が増えてしまします。
診断は、口腔内の所見だけからでは判断が困難で、舌痛症との鑑別が難しいです。舌痛症は安静時に痛みを認め、摂食時には軽快しますが、萎縮性カンジダ症では摂食時に痛みが増大し、日内変動を認めません。
口腔カンジダ症の治療は重症度によって決定します。軽症の場合には、まず口腔内を清潔に保つ(うがいや義歯洗浄)ことで症状の改善を待ちます。重症の場合には、抗真菌薬の塗り薬やうがい薬による治療を行います。
口腔カンジダ症に関して気になる点などありましたら、歯科医師・歯科衛生士にお気軽にご相談下さい。
皆様のご来院をスタッフ一同心よりお待ちしております。